【小説・考察】ストライク・ザ・ブラッド1巻の構成を考察してみた③ 謎と伏線
願わくは、皆様の創作活動の一助となりますように。
一回目は、主人公が誰なのか。物書き視点で言えば、主人公をどのような立場に置けばいいのかを書きました。
二回目は、「敗北➡大敗北➡大勝利」のストーリー構成の書き方を書きました。
そして、第三回目は、謎と伏線です。
謎があるから、読者はページを捲りたくなる。
そして、謎とは読者がページを捲りたくなるものでなければならない。
名探偵コナンで、警察が解決できるような事件であったらコナンが出る幕もなく、毛利小五郎が素面のままで解決できるような謎では、物語は数ページで終わってしまいます。
コナンをしても、最初は「どうやって犯人は犯行に及んだんだ!?」という謎でなければならないんですね。
そして、謎を解決するためのヒントが伏線です。
この伏線を張ることで、「あ、そういえばあの描写(台詞)の意味はこれだったのか」と読者に思わせ、納得感を出してくれます。
逆に伏線がないとご都合主義っぽくなって、読者は醒めてしまいます。
では、ストライク・ザ・ブラッドにおける謎とは何か。
作中に出てきた順番に、その単語を箇条書きにしていきます。
ネラバレ含みます。ネタバレが嫌いな方はそのままウィンドウを閉じてください。
ご理解いただいた方のみ、記事を読み進めていってください。
・都市前節のたぐいである、世界最強の吸血鬼、第四始祖の疑惑①p22
・偽主人公の吸血鬼疑惑①(吸血鬼の特徴。朝弱いっす)p30
・サブヒロイン(藍羽浅葱)が偽主人公に恋慕している疑惑②p35
・吸血鬼の眷獣を無力化する槍ってなにそれすごい③p53
・吸血鬼の眷獣を素手で止める偽主人公なにそれすごい①p54
・再偽主人公の吸血鬼疑惑(第四真祖の夢)①p58
・主人公が妹と同じ学校に転校してきたなにそれこわい①p64
・組織A(獅子王機関)って何? なんか吸血鬼の天敵らしい。近づいちゃいけないの? マジで?④p68
・再々偽主人公の吸血鬼疑惑①(吸血鬼の特徴。女の子のにおい嗅いで鼻血ブー)p76
・組織Aについての伏線回収④(謎解明)p82
・偽主人公の吸血鬼疑惑の伏線回収①(謎解明)p85
・偽主人公が吸血鬼になった理由が分からない⑤p89
・敵が仲間(美少女)を使ってチンピラ魔族に美人局する⑥p94
・敵の仲間が強かった件⑦(眷獣無力化)p100
・再サブヒロイン(藍羽浅葱)が偽主人公に恋慕している疑惑②p114
・偽主人公は元バスケ少年だった!⑧p122
・偽主人公、価値観を語る!⑨p124
・主人公の過去が明かされる・・・っ!⑩p130
・敵の仲間が強かった件2⑦p143
・吸血鬼の眷獣を無力化する槍ってなにそれすごい。伏線回収(謎やや解明)③p144
・敵の正体は分かったけど目的が分からない!⑥p145
・偽主人公の力はなぜ暴走した?⑪p163
・サブヒロインがなんだか忙しい⑫p171
・再々サブヒロインが偽主人公に恋慕している疑惑②p178
・魔族狩りをしている者がいるらしい⑥p183
・サブヒロインの能力が判明。伏線回収⑫
・敵の仲間の意味深な台詞⑥p205
・敵、オレ強くなったぜ発言⑦p206
・敵の自白。連続魔族襲撃犯は俺だ!伏線回収⑥p208
・敵、主人公の過去を使って精神攻撃を仕掛ける!伏線回収⑩p209
・敵、オレ強くなったは嘘じゃなかった!伏線回収⑦p212
・偽主人公死亡!?⑬p215
・サブヒロインのバイトが判明!伏線回収⑫217
・再々々サブヒロインが偽主人公に恋慕している疑惑②p219
・オレ強くなったぜ。その理由。伏線回収⑦p223
・偽主人公死んでなかった!伏線回収⑬p227
・偽主人公、主人公を篭絡する!伏線回収⑩p235
・偽主人公、サブヒロインとコンタクト!伏線回収⑫p241
・偽主人公、サブヒロインを使って敵の目的を知る!?伏線回収⑥p244
・偽主人公、眷獣を飼いならす!伏線回収⑨⑪p250
・敵の目的を知る!!伏線回収⑥p255
・ラストバトル!主人公のバスケ技が冴える!伏線回収⑧p262
書き出し作業・・・辛かった・・・
さて、謎と伏線あわせて13個。まとめていきます。
この巻で解決済みの謎および伏線を黒。未回収のものを青、先の記事の敗北➡大敗北➡大勝利に関わる謎・伏線を赤で書いています。
①偽主人公の吸血鬼疑惑。伏線回収。
②サブヒロインの恋慕。継続中。サブヒロインは、このあとの巻(何巻か忘れましたが)で回収されています。これは、いつ告白するんだ! というドキドキと嫉妬するサブヒロインのラブコメ的要素で謎というよりは、引き要素が強いですね。
③主人公の持つ切り札、雪霞狼の秘密。伏線回収。
④主人公が所属する組織A獅子王機関ってなに?という謎。すぐに回収されてます。
⑤偽主人公が吸血鬼になった謎。継続中。これはこの作品の根幹にかかわる部分なので、終盤まで引っ張りまくってます。
⑥敵の目的に対しての謎。このあと、さらに3回、敵の目的のヒントがだされ、終盤で謎が回収されています。
⑦敵の仲間(アスタルテ)の強さ。弱いはずのホムンクルスがなんで強いねーん。という話。⑥の敵の目的と主人公と偽主人公が大敗北の伏線にもなっています。回収済み。
⑧バスケ経験者しかも強い偽主人公。という設定がないと、最後の戦闘シーンがご都合主義に。まぁ・・・バスケ経験者が戦闘のプロと互角に・・・げふん。回収済み。
⑨偽主人公の価値観。これを書いておかないと、主人公に危険人物認定されて抹殺されてしまいます。また、主人公が血を吸われてもいいかも、と思われる大切な発言。回収済み。
⑩主人公の精神的に弱い部分の暴露。敵はこれを突いて主人公の動揺を誘い隙を作り、偽主人公は主人公を手籠めにする手段として用いています。主人公に血を吸われてもいいかも、と心情変化をさせる大事な伏線。回収済み。
⑪偽主人公が切り札を使えない理由について。解決条件の提示がされています。これがないと主人公が、血を吸われても仕方がない状況が作れません。回収済み。
⑫サブヒロインのお仕事についての伏線。序盤でもあった気がしますが、伏線っぽく書かれているのがここなので、こちらを採用。サブヒロインがいないと敵の目的が判明できないので、重要な役割です。回収済み。
⑬メインキャラなので、偽主人公が死ぬはずがありませんから、まぁ、なぞというよりは引き要素。回収済み
重要な謎・伏線はp124~p163/p297と中盤で出し切っています。
そして回収はp235とp250。終盤で一遍に回収しています。
また、多くの謎・伏線・伏線回収が5p前後。長くても15p以内(p数はざっくりなのでご容赦ください)と、かなりの頻度で書かれています。
ここから推測できるのは、5p前後で謎・伏線・伏線回収をおこなわないと読者に飽きられてしまう、ということでしょう。
一見、無駄な雑談に見えて、その内容はすべて意味がある。
物語にまったく関係のないものは、妹の暁凪沙との会話くらいのものでしょうか。妹のキャラ付けという意味合いもあるので、無意味ではありませんが。
親友キャラの矢瀬基樹もこの巻ではモブですが、次巻以降に頭角を現しますので、その伏線の意味合いがあるでしょう。今回は1巻に関係なかったのでピックアップしていません。
では次の記事が最後。まとめになります。
よろしければ読んでいってください。