【小説・考察】ソードアートオンライン1巻の構成を考察してみた③ 逆算して構成を考える

 願わくは、皆様の創作活動の一助となりますように。

 

 ソードアートオンラインから学ぼう三回目の記事です。

 逆算して構成を考える。

 オリジナルストーリーを作るための記事ですので、ソードアートオンラインのような構成を作るにはどうすればいいのか、と考察していきたいと思います。

 

 ネラバレ含みます。ネタバレが嫌いな方はそのままウィンドウを閉じてください。

 ご理解いただいた方のみ、記事を読み進めていってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ソードアートオンラインの構成は、前回の記事でも書いた通り、下記のようなものです。 

 

○一回目の選択肢。フレンドと一緒に行く?いかない? 59p/328p

▲本敵に勝った! と思ったら負けた! 伏線 186p/328p

○◆二回目の選択肢&失敗。主人公、過去を語る 190p/328p

○三回目の選択肢。主人公プロポーズをする 231p/328p

▲本敵とラストバトル! 伏線回収 297p/328p

◆大失敗。主人公を庇ってヒロイン死す 303p/328p

◆大成功。主人公現実世界に戻ってくる 321p/328p

 

 ストライク・ザ・ブラッドでも同じようなことをしましたが、ここでも「大成功」させるためには、何が必要か、という観点から考察していきます。

 

①「大成功」➡主人公現実世界に帰還する

②本敵を倒す

 

 では、本敵を倒すためには何が必要か?

 ヒロインへの愛です。

 愛しい人を殺したやつは生かしちゃおけねぇ! とスーパーサイヤ人化するわけですね。

 

①「大成功」➡主人公現実世界に帰還する

②本敵を倒す

③ヒロインを殺されたことによる真の力の覚醒

 

 実はこの「真の力の覚醒」に伏線はありません。

 直前にヒロインが、やはり愛の力によって回復不能な麻痺を打ち破っていますが、あまりにも直前すぎて伏線とは言えないでしょう。

 それでもご都合主義的に思わないのは、終盤の勢いがあるから。

 ヒロインが殺された! 主人公がキレて真の力に目覚める! という流れが良くある展開だから。

 読者は違和感を覚えなかったのだと思います。

 そして、ヒロインを殺されたことに怒るには、主人公がそれだけヒロインを好きでなくてはなりません。

 ・・・が、その前に。

 本敵を倒すには、本敵との戦いを開始しなくてはいけません。

 そして、「どんでん返し」が発動して、味方が実は本敵だった! と明かされなければ戦闘は開始しません。

 

①「大成功」➡主人公現実世界に帰還する 321p/328p

②本敵を倒す 309p/328p

③ヒロインを殺されたことによる真の力の覚醒 307p/328p

④本敵とバトルスタート

⑤どんでん返しによって、味方が本敵に変わる

 

 さて、ここで問題があります。

 主人公が本敵を暴いたのは、フロアボスを大した直後で誰もが満身創痍の状態。

 普通ならば万全の状態で本敵に挑みたいですよね。

 でも、主人公はボロボロの状態で本敵を暴き、なおかつ戦いを挑みます。

 なぜか? それは、フロアボスに挑む直前でヒロインが語った時間制限の効果が作用しているからです。

 

ヒロイン「わたしたちの体が、病院のベッドの上で、いろんなコードに繋がれて、どうにか生かされてるって状態なんだとしたら・・・そんなの、何年も無事に続くとは思えない」

主人公「・・・つまり・・・ゲームをクリアできるにせよできないにせよ、それとは関係なくない無リミットは存在する・・・ってことか・・・」

 

 これです。

 このシーンがあるからこそ、主人公が無理な突貫をしても違和感なく、むしろ必然性をもたせているのです。

 

①「大成功」➡主人公現実世界に帰還する 321p/328p

②本敵を倒す 309p/328p

③ヒロインを殺されたことによる真の力の覚醒 307p/328p

④本敵とバトルスタート

⑤どんでん返しによって、味方が本敵に変わる

⑥タイムリミットを意識した主人公が、強引に本敵を暴く

⑦ヒロインがタイムリミットを示唆する

 

 ヒロインがタブーとされている現実世界の話を主人公にしたのは、二人の関係がより密接になったからです。

 これは、③にも通じる部分ですね。両想い。愛によって真の力が目覚めるのです!

 

①「大成功」➡主人公現実世界に帰還する 321p/328p

②本敵を倒す 309p/328p

③ヒロインを殺されたことによる真の力の覚醒 307p/328p

④本敵とバトルスタート 297p/328p

⑤どんでん返しによって、味方が本敵に変わる 290p/328p

⑥タイムリミットを意識した主人公が、強引に本敵を暴く 288p/328p

⑦ヒロインがタイムリミットを示唆する 267p/328p

⑧初夜からのプロポーズからのハネムーン 218p~261p/328p

 

 はいきましたイチャラブパート!

 愛が深まります。

 この関係性になるためのイベントがコレ

 

➊「大成功」➡主人公現実世界に帰還する 321p/328p

②本敵を倒す 309p/328p

➌ヒロインを殺されたことによる真の力の覚醒 307p/328p

④本敵とバトルスタート 297p/328p

⑤どんでん返しによって、味方が本敵に変わる 290p/328p

⑥タイムリミットを意識した主人公が、強引に本敵を暴く 288p/328p

⑦ヒロインがタイムリミットを示唆する 267p/328p

⑧初夜からのプロポーズからのハネムーン 218p~261p/328p

9⃣

⑨主人公、罠に嵌められて敵に殺されかける

⑩そのきっかけを作ったのはヒロイン

 

 ・・・なんですが、⑧と⑨の間に重要なイベントがあります。

 その前に、「失敗➡大失敗➡大成功」の法則を黒丸+数字。「AとB。主人公成長」の法則を白四角+数字。「大どんでん返し」の要素()+数字として分かりやすくしました。

 

➊「大成功」➡主人公現実世界に帰還する 321p/328p

②本敵を倒す 309p/328p

➌「大失敗」ヒロインを殺されたことによる真の力の覚醒 307p/328p

④本敵とバトルスタート 297p/328p

⑸どんでん返しによって、味方が本敵に変わる 290p/328p

⑥タイムリミットを意識した主人公が、強引に本敵を暴く 288p/328p

⑦ヒロインがタイムリミットを示唆する 267p/328p

⑧初夜からのプロポーズからのハネムーン 218p~261p/328p

9⃣「AとB。主人公成長」の法則。主人公Bを選ぶ 217p/328p

⑩主人公、罠に嵌められて敵に殺されかける 210p/328p

⑪敵に殺されかけるきっかけをヒロインが作る 195p/328p

⓬「失敗」主人公の過去。超絶モブキャラクター、サチの死 190p/328p

⒀本敵に敗れる。⑸への伏線含む 186p/328p

⑭本敵と戦うことになった 175p/328p

⑮本敵と戦うことになる原因をヒロインが作る 168p/328p

 

 ・・・と、ここでいったんストップしましょう。

 ⑪から⑮まで、要素だけ切り出してみると、けっこう脈絡がないんですよね。

 でも、話として読んでいくと繋がっている不思議。

 そして、⑪と⓬は9⃣にかかわる大事なエピソードですし、⒀がなければ⑸でどんでん返しが起こせません。

 ここでの要素は、連続しているというよりは後の要素の遠因となる要素です。

 伏線パートといってもいいかもしれません。

 

➊「大成功」➡主人公現実世界に帰還する 321p/328p

②本敵を倒す 309p/328p

➌「大失敗」ヒロインを殺されたことによる真の力の覚醒 307p/328p

④本敵とバトルスタート 297p/328p

⑸どんでん返しによって、味方が本敵に変わる 290p/328p

⑥タイムリミットを意識した主人公が、強引に本敵を暴く 288p/328p

⑦ヒロインがタイムリミットを示唆する 267p/328p

⑧初夜からのプロポーズからのハネムーン 218p~261p/328p

9⃣「AとB。主人公成長」の法則。主人公Bを選ぶ 217p/328p

⑩主人公、罠に嵌められて敵に殺されかける 210p/328p

⑪敵に殺されかけるきっかけをヒロインが作る 195p/328p

⓬「失敗」主人公の過去。超絶モブキャラクター、サチの死 190p/328p

⒀本敵に敗れる 186p/328p

⑭本敵と戦うことになった 175p/328p

⑮本敵と戦うことになる原因をヒロインが作る 168p/328p

⑯主人公の切り札(必殺技)が炸裂し、バトルに勝利 158p/328p

 

 この切り札が露見したことによって本敵に目を付けられ、⑭が発生します。

 ⑮は実のところヒロインが原因を作ったわけではありませんが、本敵がいきなり主人公に挑むのは脈絡がありませんから、ヒロインが本敵と主人公の繋ぎ役といったところでしょう。

主人公が切り札を出すには、危機的な状況に追い詰めなければいけませんので、⑰です。

 

➊「大成功」➡主人公現実世界に帰還する 321p/328p

②本敵を倒す 309p/328p

➌「大失敗」ヒロインを殺されたことによる真の力の覚醒 307p/328p

④本敵とバトルスタート 297p/328p

⑸どんでん返しによって、味方が本敵に変わる 290p/328p

⑥タイムリミットを意識した主人公が、強引に本敵を暴く 288p/328p

⑦ヒロインがタイムリミットを示唆する 267p/328p

⑧初夜からのプロポーズからのハネムーン 218p~261p/328p

9⃣「AとB。主人公成長」の法則。主人公Bを選ぶ 217p/328p

⑩主人公、罠に嵌められて敵に殺されかける 210p/328p

⑪敵に殺されかけるきっかけをヒロインが作る 195p/328p

⓬「失敗」主人公の過去。超絶モブキャラクター、サチの死 190p/328p

⒀本敵に敗れる 186p/328p

⑭本敵と戦うことになった 175p/328p

⑮本敵と戦うことになる原因をヒロインが作る 168p/328p

⑯主人公の切り札(必殺技)が炸裂し、バトルに勝利 158p/328p

⑰フロアボスに挑んだモブキャラを主人公たちが助けに入り、窮地に 153p/328p

⑱フロアボス強いぞシーン 134p/328p

⑲軍登場。全滅フラグ 123p/328p

 

 ⑰~⑲はセットです。というか⑯のためのエピソードですね。

 モブキャラ(コーバッツ)は、そのためだけに現れて死ぬようなものです。さようなら。

 

➊「大成功」➡主人公現実世界に帰還する 321p/328p

②本敵を倒す 309p/328p

➌「大失敗」ヒロインを殺されたことによる真の力の覚醒 307p/328p

④本敵とバトルスタート 297p/328p

⑸どんでん返しによって、味方が本敵に変わる 290p/328p

⑥タイムリミットを意識した主人公が、強引に本敵を暴く 288p/328p

⑦ヒロインがタイムリミットを示唆する 267p/328p

⑧初夜からのプロポーズからのハネムーン 218p~261p/328p

9⃣「AとB。主人公成長」の法則。主人公Bを選ぶ 217p/328p

⑩主人公、罠に嵌められて敵に殺されかける 210p/328p

⑪敵に殺されかけるきっかけをヒロインが作る 195p/328p

⓬「失敗」主人公の過去。超絶モブキャラクター、サチの死 190p/328p

⒀本敵に敗れる 186p/328p

⑭本敵と戦うことになった 175p/328p

⑮本敵と戦うことになる原因をヒロインが作る 168p/328p

⑯主人公の切り札(必殺技)が炸裂し、バトルに勝利 158p/328p

⑰フロアボスに挑んだモブキャラを主人公たちが助けに入り、窮地に 153p/328p

⑱フロアボス強いぞシーン 134p/328p

⑲主人公とヒロインが初パーティ。その先で軍登場。全滅フラグ 123p/328p

⑳敵(クラディール)に圧勝。ヘイトを買う 115p/328p

㉑主人公とヒロインがパーティを組むのに反対した敵が決闘を挑んでくる 110p/328p

 

 ⑳も⑩のための伏線です。

 で、㉑なんで敵と戦うことになったのかー、というエピソード。

 

➊「大成功」➡主人公現実世界に帰還する 321p/328p

②本敵を倒す 309p/328p

➌「大失敗」ヒロインを殺されたことによる真の力の覚醒 307p/328p

④本敵とバトルスタート 297p/328p

⑸どんでん返しによって、味方が本敵に変わる 290p/328p

⑥タイムリミットを意識した主人公が、強引に本敵を暴く 288p/328p

⑦ヒロインがタイムリミットを示唆する 267p/328p

⑧初夜からのプロポーズからのハネムーン 218p~261p/328p

9⃣「AとB。主人公成長」の法則。主人公Bを選ぶ 217p/328p

⑩主人公、罠に嵌められて敵に殺されかける 210p/328p

⑪敵に殺されかけるきっかけをヒロインが作る 195p/328p

⓬「失敗」主人公の過去。超絶モブキャラクター、サチの死 190p/328p

⒀本敵に敗れる 186p/328p

⑭本敵と戦うことになった 175p/328p

⑮本敵と戦うことになる原因をヒロインが作る 168p/328p

⑯主人公の切り札(必殺技)が炸裂し、バトルに勝利 158p/328p

⑰フロアボスに挑んだモブキャラを主人公たちが助けに入り、窮地に 153p/328p

⑱フロアボス強いぞシーン 134p/328p

⑲主人公とヒロインが初パーティ。その先で軍登場。全滅フラグ 123p/328p

⑳敵(クラディール)に圧勝。ヘイトを買う 115p/328p

㉑主人公とヒロインがパーティを組むのに反対した敵が決闘を挑んでくる 110p/328p

㉒ヒロインが好きな敵のヘイトを買う

㉓ヒロインの家に主人公が行くことになった

 

 主人公、着実にヘイトを稼いでいくスタイル!

 なんでヒロインの家に行くことになったの?

 

➊「大成功」➡主人公現実世界に帰還する 321p/328p

②本敵を倒す 309p/328p

➌「大失敗」ヒロインを殺されたことによる真の力の覚醒 307p/328p

④本敵とバトルスタート 297p/328p

⑸どんでん返しによって、味方が本敵に変わる 290p/328p

⑥タイムリミットを意識した主人公が、強引に本敵を暴く 288p/328p

⑦ヒロインがタイムリミットを示唆する 267p/328p

⑧初夜からのプロポーズからのハネムーン 218p~261p/328p

9⃣「AとB。主人公成長」の法則。主人公Bを選ぶ 217p/328p

⑩主人公、罠に嵌められて敵に殺されかける 210p/328p

⑪敵に殺されかけるきっかけをヒロインが作る 195p/328p

⓬「失敗」主人公の過去。超絶モブキャラクター、サチの死 190p/328p

⒀本敵に敗れる 186p/328p

⑭本敵と戦うことになった 175p/328p

⑮本敵と戦うことになる原因をヒロインが作る 168p/328p

⑯主人公の切り札(必殺技)が炸裂し、バトルに勝利 158p/328p

⑰フロアボスに挑んだモブキャラを主人公たちが助けに入り、窮地に 153p/328p

⑱フロアボス強いぞシーン 134p/328p

⑲主人公とヒロインが初パーティ。その先で軍登場。全滅フラグ 123p/328p

⑳敵(クラディール)に圧勝。ヘイトを買う 115p/328p

㉑主人公とヒロインがパーティを組むのに反対した敵が決闘を挑んでくる 110p/328p

㉒ヒロインが好きな敵のヘイトを買う 87p/328p

㉓ヒロインの家に主人公が行くことになった 87p/328p

㉔レア食材GET! 74p/328p

▢25「AとB。主人公成長」の法則。主人公Aを選ぶ 57p/328p

㉖デスゲームに巻き込まれる 39p/328p

 

 ㉔と25に間には、二年の月日があります。

 逆にいえば、二年の経験を経て、主人公が変わる瞬間を切り取った物語がソードアートオンラインなのでしょう。キリトだけに。

 

 ということで。長くなりましたので、この記事はここで終わりにしたいと思います。 

 次回は、この書き出した要素からソードアートオンラインの要素を省いてみたいと思います。

 そうすることで、オリジナルストーリーの要素を当て込みやすく、かつ要素をいじくりやすくしてみます。